看護師にとって思いやりとは何か

看護師は、思いやりが必要な仕事だといわれています。患者のために奉仕する気持ちが根底になければ、難しい仕事であることは事実でしょう。命と真摯に向き合う仕事なので、自分の利益のためだけに動くようでは務まりません。
しかし、患者の性格や体調は実に様々で、時には無理な要望をしてくることもあります。看護師も一人の人間なので、いくら思いやりのある人でも、腹を立ててしまうことや後回しでいいだろうと思ってしまうこともあるでしょう。しかし、それは看護師としての力量が問われる部分です。患者にしっかり寄り添い、不安や苛立ち、ストレスなどを受け止めることも大切な業務の一環といえます。
それでは、どうすれば患者に寄り添えるのでしょうか。それは、患者の話をしっかり聞くことです。仮に入院中の場合、面会時間が決められているため、時間外に話を聞いてくれる存在は看護師くらいしかいません。忙しくてもできる限り患者に声掛けし、コミュニケーションを図ることを心掛けましょう。話を聞くことでその患者の人柄や家族構成なども把握できるので、より良い治療に繋げられるのです。
看護師の思いやりは、患者本人だけでなく、その家族にも向けることが欠かせません。治療について不安を抱えているのは家族も同じなので、家族ともしっかりコミュニケーションを図ることは大切です。たとえ、ちょっとの時間に一言でも声をかけるだけで、心配や不安な気持ちを抱えている患者や家族の心を落ち着かせることができます。